近年コーディングの工数を最大限に抑えるローコード開発・ノーコード開発が注目を集めていることはご存知でしょうか?SaaSやITサービス市場が急速に成長し、今後も拡大が予想される中、ITエンジニアの不足が深刻化しています。経済産業省の発表によると、ITエンジニアの不足は2030年には40万人から80万人に達するとの推計も出ているほどです。事態は年を追う毎に深刻化しています。ITエンジニアの不足を補うことは喫緊の課題であり、コーディングスキルを持たない人でもアプリケーションやウェブサイトを開発できる開発手法が求められているのです。そこで今回は、SaaSやシステムの開発に必要とされるローコード開発やノーコード開発の概要とツール導入のメリットやデメリット、さらにはツールの選び方まで解説していきます。ITエンジニアの不足に悩む開発会社の方・SaaS事業者の方は是非今後の導入の参考にしていただければ幸いです。ローコード開発とはローコード開発とは、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)やプリセットされたコンポーネントなどのビジュアルツールを使用してアプリケーションやソフトウェアを開発する手法のことを指します。最低限のコーディングをGUI画面で開発し、一部のコードのみを書くのみでよくなるため、開発の効率化・コスト削減が図れます。また、プログラミングに関する知識がなくてもプログラムを作成できるため、エンジニアの採用が最小限に抑えられることもあります。ビジネスユーザーやエンドユーザーが自ら必要なアプリケーションを開発することもできます。GUIによるローコード・ノーコードが主流に近年は、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応する必要性が高まっています。DXを実現するために、クラウドソフトウェアの活用が増え、それに伴い、ソフトウェアやシステムの開発には多岐にわたる技術やアーキテクチャが必要になっています。以前は、開発チームが使用する言語や技術が単一であった場合、学習コストを考慮する必要はありませんでした。しかし、現在の複雑化している状況に柔軟に対応するためには、メンバーの育成や新しい技術にキャッチアップするための時間や労力を考慮に入れる必要があります。そのため、GUIを用いた最低限の開発が可能であれば、開発工数を削減することができます。また、ソフトウェアが採用されるかどうかは、既存のシステムとの「データ連携」にかかっていることが多いです。現在、様々なSaaSが登場している中で、データ連携にもスピード感が求められ、リアルタイムな連携を実現することができるかどうかが、開発のスピードを上げるために重要な要素になっています。以上の理由から、ローコード・ノーコード開発のツールにおいては、GUIを用いたユーザーフレンドリーな仕様が導入の最低条件となっています。GUIを使用することで、開発チームの技術スキルや学習コストに頼らず、より多くの人々がアプリケーションやウェブサイトの開発を手軽に行うことができます。ローコード・ノーコード開発のメリット・デメリットローコード・ノーコード開発には以下のようなメリット・デメリットがあります。メリットプログラミングスキルが不十分な人でも簡単にアプリやソフトウェアを開発できる開発速度が早く、短期間にアプリやソフトウェアを作成できるビジネス側が要件を伝え、エンジニアが作成する必要がないため、開発のコストを抑えることができるテンプレートやプリセットが用意されているため、再利用性が高いデメリット柔軟性が低く、複雑な処理や高度なカスタマイズができない場合があるテンプレートやプリセットに依存しすぎて、特定のフレームワークやプラットフォームに縛られることがある機能や処理の自由度が低く、複雑なアプリやソフトウェアを開発することは難しい場合があるデータの処理が複雑な場合には、エラーが発生しやすく、修正が難しいことがあるローコード・ノーコードツールの選び方ローコード・ノーコード開発に必要なツールは多数あり、機能や使い勝手、価格帯などに違いがあります。ツールの選び方については以下の通りです。目的に合ったツールを導入するローコード・ノーコード開発には、ビジネスアプリケーションの作成からウェブサイトの制作まで様々な用途があります。そのため、目的にあったツールを選ぶことが重要です。利用者の技術レベルに合わせた導入を行うローコード・ノーコードツールとはいえ、利用者の技術レベルによっては使いこなすことが難しい場合があります。利用者の技術レベルに合わせてツールを選ぶことが大切です。拡張性やカスタマイズ性を考慮するツールはあくまでもフレームワークであり、そのフレームワークの中でしかアプリケーションを開発することができません。そのため、ツールの拡張性やカスタマイズ性を考慮することが大切です。サポート体制が整っているかを考慮するノーコード・ローコードツールを使い始めた際に問題が発生した場合、適切なサポートが必要になることがあります。選んだツールによっては、問題解決のためのサポートが充実しているかどうかも確認することが大切です。ユーザビリティを重視する ツールの使い勝手が悪いと、ローコード・ノーコード開発の効果を発揮できなくなります。具体的には、ドラッグ&ドロップで簡単に操作できるかどうかや、日本語のサポートがあるかどうかなどがポイントになります。ビジネスサイドの方が利用できるからと言ってツールに過度な期待は禁物と言えるでしょう。組織全体の技術レベルや文化を加味してから導入するか否かの判断をすることも大事になってきます。まとめ今回は、ローコード開発やノーコード開発の概要とそのメリットやデメリットを中心にご説明してきました。SaaS事業者の場合には、データ連携も視野に入れ、早期にローコード・ノーコードを取り入れていくことが重要であることがお分かりいただけたかと思います。今回ご紹介した観点を加味して、より良い開発ツールを選択してください。弊社Datableでは、SaaS for SaaSサービス「datable」をSaaSプロダクトに組み込めるiPaaSとして提供しております。ノーコードで連携が可能なサービスで、「早く、安く、簡単に」データ連携ができるようになります。GUIによるSaaSのサービス開発にご興味がございましたら、是非お問い合わせください。